最近、ChatGPTをはじめとした生成AIがかなり話題になっていると思います。
SNSやニュースなどでもAIに関する情報をよく見るようになったり、新しいツールについて知ることも増えているかもしれませんが、そもそもAIとは何なのかについて理解を深めておくことも重要でしょう。
今回は根本的なところから、現実的にどのように活用することができるか、まで幅広く取り上げてみようと思います。
そもそもAIとは?
まずAIはArtificial Intelligenceの略で、人間の知的活動をコンピューターにより再現したもの、と考えられています。
近年話題になっているAIは生成AIが主流ですが、実はいろんなタイプのAIがあるんですよね。

AIには何ができるのか
もう少し具体的に見ていくと、AIによって以下のようなことができると考えられています。


医療において応用して考えると、画像から特定の疾患を識別したり、予後を数値で予測したり、運動などの介入プログラムを画像で生成したり、さまざまなことがAIでできると考えられますね。
AIと関連するテーマ(IoT・ロボティクスなど)
AIがあれば何でもできるかと言うとそうではありません。

例えばIoT(Internet of Things)と呼ばれるようなセンシングのツールがあったり、ロボティクスによって何か動作を行ったり、その間をAIで処理することでうまくアクションに繋げられるようになったりします。
AIが十分に機能を発揮するためには、データをインプットするツールと、アウトプットするデバイスが鍵になってくるわけですね。
生成AIの仕組み(LLM)
そして近年特に成長が著しく、話題になっているのが生成AIで、こちらは主にLLM(Large Language Model)という仕組みで稼働しています。

大量のデータの中から、プロンプトに対して適切なアウトプットを返すような形。
よって大量の質の高いデータがあることで、よりアウトプットのクオリティが高まったり、セキュリティを考えるとアクセスするデータを一部に限定したりすることが必要になってくるわけです。
近年の生成AIの進化
ここからは生成AIによってどんなことができるかを見ていきましょう。
ChatGPT・Gemini・Claude
まず最もイメージしやすいのが、ChatGPTやGemini・Claudeのようなチャット形式でやり取りするタイプ。
プロンプトという形でテキストで指示をすると、リサーチをしたり、要約をしたり、データを分析したりできます。
それぞれで参照するデータは違うものの、データの量や質がかなり改善しておりアウトプットのクオリティが近年かなり高まっています。
ぜひ自分にとって使いやすい形を模索していけると良いですね。
画像や動画の生成
テキストでやり取りをしながら、画像や動画を生成するクオリティもかなりあがってきています。
使いやすいものとしてはNotebookLMというものがあって、ここにデータを入力することで画像やスライド、動画解説資料なども作成できます。
AIバイブコーディング
生成するものとしてイメージしやすいのはテキストや画像・動画などですが、プログラミングコードを生成することでWebページのようなものも作ることができます。
使いやすいものとしてはAntigravityやCursorのようなものですね。
バイブコーディングまで活用するとプロのエンジニアやデザイナーでなくても簡単にホームページやウェブシステムを作れるようになったのはすごい時代ですね。
参考までに過去作った腰痛・肩こりのスクリーニングシステムも記事末の参考リンクに載せておきます。
AIによってセラピストの環境はどう変わるのか?
それではここから、臨床推論・働き方・医療業界などがAIによってどう変わるか考えてみましょう。
臨床推論
セラピストの専門性としては、徒手療法の技術だけでなく、専門的な評価から適切な介入を導き出す思考過程にもあると考えられます。
例えばクライアントから何か悩みを聞いた時に、適切な評価項目を考える、そしてその評価結果に応じて課題を見極め、介入の優先順位を整理して実施するような感じ。
セラピストとして全ての疾患に対する評価や結果の解釈を理解するのはとても難しいですが、思考過程は共通する部分があると思いますし、AIでそこのサポートをすることもできるんじゃないでしょうか。
働き方
先ほどの生成AIのさまざまな使い方からもわかるように、セラピストとして必要なエビデンスをリサーチしたり、講義のための資料を作成したり、自身の仕事をアピールするためのホームページを作成するなど、かなりいろいろな使い方ができると思います。
さらに組織として働くのであれば、組織内での情報共有や、シフトの管理のような業務効率化もできるでしょうね。
独立したセラピストとして活動していくのであれば、AIも意識した情報発信をしつつ、ファンとなるような人とも密にコミュニケーションをとっていけると良いと思います。
医療や介護・福祉業界
病院や介護・福祉施設などにおいてもデータ管理は重要視されるようになってきているし、そこでもAIは活用されていくでしょう。
民間事業とどのくらい連携されるかは未知数ですが、病院などでは先ほどの臨床推論のシステムが導入される可能性もありますし、病院での情報は介護・福祉施設などとも共有されて施設運営でもAIが活用され、DX化が進んでいくことは予想されます。
このように医療や介護・福祉業界でDX・AI活用が進んでいくということは、患者・クライアントもデータによる根拠を持ったサポートに慣れていくということなので、民間事業として働くセラピストであってもその流れを知っておかないと時代遅れにもなりかねないです。
AIではできないこと
ここまでAIでさまざまなことができるようになって変化することについてみてきましたが、最後に改めてAIではできないことについても考えてみようと思います。
データにならない身体知
AIはインターネットやコンピューター上で動くことになるが、ということは何らかのデータを処理して活動することになります。
数値や文字などのデータを用いることになりますが、世の中にはデータにできないものもたくさんある。
例えば人のデータとしても、筋力や関節可動域、血液数値などたくさんデータ化することはできるが、人が頭の中で考えてまだ言語化していないことや、データ化していない微細な感覚など、AIでは扱えないものもまだまだたくさんあります。
セラピストとしてクライアントの悩みを聞くこともありますが、クライアント自身も自分の悩みや課題について完全に理解しているわけではなかったりするので、ただ単に「困り事は何ですか?」と聞く以上に、関わりながら次第に明らかになってくることもあるでしょう。
またセラピストとしての知識や経験を伝達しようと思っても、テキストや動画のコンテンツなどにしきれない手の感覚のようなものもあるでしょうし、AIにできないことはたくさんあると思われます。
人間関係・コミュニケーション
最近であればAIで動くbotのようなものもSNSなどで見る機会が増えているかもしれませんが、やはり人とbotではコミュニケーションの取り方に違いがあるでしょう。
ロボットや生成AIでも人のような感じでコミュニケーションが取れるようになってきていると思いますが、まだ違和感を感じる部分があったり、身体がないことで何か言葉が上滑りしている感覚を感じる人もいるかもしれません。
また人と人が直接触れ合うようなこともAIにはできないので、同じ時間や空間を共有する中で育まれる人間関係はこれからより貴重になってくるでしょう。
問いを立てること
例えば特定の疑問がすでにある場合(腰痛の治療法は?)は生成AIで精度高くリサーチできるようになってきていますが、そもそも何を問うか、ということは人がやる必要があります。
問い自体もAIである程度リストアップ(肩こり、頭痛、膝痛など)して考えることはできるかもしれませんが、その中で今何をリサーチするのか、ということは人が考えるしかありません。
世の中に社会課題とされるものはたくさんありますが、その中でどこに自分が取り組むかということは最終的には自分で決めるしかないですし、そのためには「そもそも自分が何をしたいのか?」ということを考えておく必要性もあります。
まとめ
今回は最近話題になっているAIについての理解を深めつつ、AIによって何ができるのか、またAIにはできないことを知りつつ人は何をしていくのか、について考えてきました。
セラピストは自分の手を使って、直接人と関わることが多いのでAIでは代替できないことが多い業態だとは思いますが、それでもAIによって働き方や生活は大きく変わってくるでしょう。
時代にもうまく波乗りしつつ、人である自分にしかできないことを探求していくことで自分らしい生き方をしていけると思うので、ぜひこれを機に考えてみてください。