コミュニケーションにおいてこんな悩みはないでしょうか?
- 雑談でうまく言葉が出てこず、気まずい時間が流れる
- なぜか特定の相手とは会話が噛み合わない
- 2人ならしゃべれるが大勢で話をするのは苦手
- 「何を言っているか分からない」と言われる
- 頭が白くなって言葉が出なくなる
- オンライン上の会話が苦手
このような悩みを克服しつつ、コミュニケーション能力を高めていく方法についてまとめてみようと思います。
コミュニケーションチェックリスト
まずは自分のコミュニケーションを見直してみましょう。
- 人の前だろうが、なんの抵抗もなく自由に感じたままを言うことができる
- 他人の話に疑問を感じたら、その気持ちをはっきり伝えられる
- 自分にとって嫌なことを理解しているため、不快なことを引き受けて後悔することはない
- 誰かに欠点を指摘されたり、親しい人と意見が異なったりしても、なかったことにはしない
- 自分の深いところにある考えや感情をよく理解できている
- 本当は楽しくないのに、楽しいふりをしたりはしない
- 色々と心配なことが頭に浮かんでも、会話から注意がそがれることはない
- 嘲笑や軽口を受けても、不快さを調整できる
- たくさんの人がいる部屋に入っても、他人の視線を感じて自意識過剰にはならない
- その場に合わないことを言うことはほとんどない
- 周りから下に見られていると思うことはない
- 会話の最中に頭が真っ白になることはほぼない
- 不快な相手でも、皮肉を言ったり、馬鹿にすることはない
- 自分の欲求を満たすために、他の人を操ろうとまではしない
- 自分もあやまちがあれば簡単に認める
- 他の人から「緊張せずに話せる」と言われる
- どちらかというと温厚で、人の気持ちを気にする方だ
- 他の人からの注目や特別な好意は期待しない
いかがでしょうか?
後でも出てきますが、コミュ力に関係する「嘘が多く、感情が幼く、性格が悪い」というポイントが含まれています。
クライアントや仕事の同僚・上司・後輩などと話す時に気になる項目があれば、今回の内容を参考にして改善できるかもしれませんね。
雑談の意義
コミュニケーションの能力が直に現れるのは雑談です。
セラピストとしてクライアントに関わる時に、体の不調について聞いたり、実施するアプローチを説明することも大事ですが、雑談によって関係性が深まっていくことがあるのは体感的にも分かる人が多いと思います。
実は人間は話し始めてすぐの100ミリ秒で相手を評価していると言われているんですよね。
そこで評価しているのは以下のようなポイント。
- 会話の相手は社交的か?共感力があるか?
- 会話の相手は頭が良いか?悪いか?
- 会話の相手は健康か?不健康か?
- 会話の相手は信頼できる人物か?
セラピストとしてクライアントに関わるときにも実はこのような見られ方をしているかもしれない、と思ってみるのも良いかもしれませんね。
ここで良い印象を与えることができればその先のコミュニケーションはかなりやりやすくなるはずです。
人類ほど平気で仲間を騙す生き物はいないから
ではそもそも人はなぜこのような評価をするのか、と言うと人類ほど平気で仲間を騙す生き物はいないから、と言われているからです。
狩猟採集の時代から人は1人では生きていけないためコミュニティを作って助け合いながら生きていくのが一般的でしたが、そこでリスクになるのが人の裏切りでした。
マサチューセッツ大学の調査によると、10分間の会話中に60%の人間が2・3個の嘘をつき、1日の間では上司や同僚を平均6回も騙しているという研究もあったんですよね。
そこで信頼できる人を見抜こうとする本能は自然に備わってきたんですが、重要視されている特徴が以下の3つのポイントになります。
嘘が多く、感情が幼く、性格が悪い
これが魅力が損なわれる3つのポイントで、個人の持つ魅力の90%になるとも考えられています。
冒頭でチェックリストがありましたが、以下のような評価に実はなっていました。
- 1〜6:嘘が多い(仮面を被ったコミュニケーション)→ 素の自分を出せるようにする
- 7〜12:感情が幼い → 不快のコントロール、アドリブ、失敗をひきずらない
- 13〜18:性格が悪い → 優しい、近づきやすい、信頼できる
これらの項目で改善できるところがあればコミュ力を高めるきっかけになるので、ぜひ取り組んでみてもらえたらと思います。
コミュ力を改善する
それでは具体的にコミュ力を改善する方法を見ていきましょう。
素な自分を出せる
嘘が多いというのは単に相手に対して嘘をつくだけでなく、自分の感情を誤魔化したり素の自分が出せないということにも通じてきます。
自分のことを素直に表現することを“真正性”とも言うのですが、こちらを高めることによって自分を偽らずに高いパフォーマンスを発揮することにつながるわけです。
ここで役立つ手法が「メタトーク」というもの。
メタトークとは会話の中で頭に浮かんだ思考や感情、またはコミュニケーションの流れそのものを言葉で表現する手法のことを言います。
これだけでは少し分かりづらいと思いますが、例えばクライアントが症状の改善に必要なエクササイズなどを指示しても実施してくれないケース。
真正性が低い人はこのような状況で次のような行動をしがちです。
- 困った気分を隠して、相手に合わせ過ぎてしまう
- 思い通りに動いてくれなくて不機嫌な顔をしてしまう
- なぜできないんですか?と問い詰めるような話し方をしてしまう
こうなると本来の話が進まず悪い状況になってしまうと思うので、次のような言い方をすると良いかもしれません。
「症状の改善に必要なアドバイスをしても実施していただけず、とまどいを感じています。この状況を改善するためにアドバイスを実施していただける方法を一緒に探っていきたいと思っています。実施する内容を工夫したり、取り組む時間を確保できるような方法を探したいんですが、何か意見はありますか?」
このように感情・考えていることを伝えることができれば無理に気持ちを押し殺すよりは良いでしょう。
これは後ほど出てくる性格が悪い問題に取り組むのにも効果的な「人格性の構文」とも近いものです。
こちらは心理学者のトマス・ゴードンが開発した会話法を後世のセラピストが発展させたもので、自分の伝えたいメッセージを以下のような手順で組み立てるというもの。
- 事実の提示:あなたが〇〇をすると
- 感情の表現:私は△△と感じます
- 要求の提案:そのため、私は××をして欲しいです
かなりシンプルですが、けっこう使えると思います。
感情をコントロールする
上記の話にもつながってきますが、素な自分を出すにあたってもそれが感情的な形になってしまうとそれもよくありません。
ここでは感情の幼さを克服するための「不快プランニング」という手法を紹介してみます。
これは嫌なことを計画的におこなうエクササイズになります。こちらに関してはストレスマネージメントの科学も参考になると思うので、興味がある方は読んでみてください。
不快プランニングをおこなう際にはまず苦手なコミュニケーションをピックアップします。
先ほどとは少し方向性を変えて、人前でプレゼンするのが苦手で感情をコントロールできずうまくしゃべれない方は以下のような順で計画的に練習をしていくと良いと思います。
- 家族や友人など気心の知れた人の前でスピーチをする
- 仲の良い同僚の前でおこなう
- 少人数のイベントで短いスピーチをする
- 大人数の前でスピーチをする
このように段階を上げていけば感情をコントロールしながら目的を達成していけるでしょう。
相手の立場に立つ
セラピスト職に関しては性格が悪いというポイントで困る人は比較的少ないと思いますが、相手の立場に立つという意識が重要になります。
性格が悪い人は相手への期待にズレが生じているケースがあります。
大半の期待は「〜すべき」「〜すべきでない」といった表現がされることが多く、このような思考には自分が育った文化や過去の体験が反映されるケースが多いです。
何か誰かに期待し過ぎてしまって、トラブルになるケースには期待管理ワークという方法がおすすめなので紹介しますね。
- 原因チェック:「なぜかこの相手と話すとイライラする」「いつも会話がうまくいかない」と思う人物を1人だけ選び、どんな行動・発言によってネガティブな感情が湧くか考える
- 期待チェック:「会話がうまくいかない人物」に対して、自分が抱いているかもしれない期待の内容をリストアップしてみる
- 事情チェック:「会話がうまくいかない人物」が自分の期待に反した行動を取る理由も考えてリストアップしてみる
- 期待調整:ここまで準備できたら実際に相手と話してみて、相手の事情をふまえて納得できるような期待調整をする
これは先ほど出たクライアントにも当てはまりますし、もしかしたら同業セラピストとのコミュニケーションについても当てはまることがあるかもしれません。
もちろんこれ以外にも手法はいろいろあるのですが、嘘が多く・感情が幼く・性格が悪い→素な自分を出せる・感情をコントロールできる・相手の立場に立つ、ということができると自分の魅力を高めてコミュニケーションがとりやすくなるでしょうね。
カリスマを創る
“魅力”と言えば“カリスマ”という言葉も浮かんできやすいと思いますが、なんとなく悪いイメージを持つ方もいるんじゃないでしょうか。
しかし、近年おこなわれているカリスマに関する研究では以下のような定義がなされています。
- 誰にでも親切で、あらゆる人を良い気分にさせられる
- ネガティブな感情を使って、人を操作しようとはしない
このような定義を見れば悪いイメージではなく、とても魅力を感じる人というイメージが湧くんじゃないでしょうか。
このカリスマ性を高める方法についてもいくつかおすすめされているものがあるので紹介してみます。
ディープトーク
ディープトークとは雑談では交わさないような深みのあるテーマを扱った会話のことですが、これをすることで魅力が高まることが示唆されています。
シカゴ大学の実験で、研究チームは初対面の男女約1800人のペアを組ませ、雑談をしたグループと雑談では交わさないような深みのあるテーマを扱った会話をしたグループに分けた結果、深い会話をしたグループは「会話を楽しんだ」「相手を魅力に感じた」と報告する確率が高かったんですよね。
このような深い話をしようと思った時のトークテーマ案もいくつか紹介できたらと思います。
- 本や映画のキャラクターの中で、自分に似た人物を選ぶとしたら誰にしますか?その人を選んだのはなぜですか?
- 今までもらったプレゼント、または他人にあげたプレゼントの中で、最高のものは何ですか?
- これからの人生で一種類の食事しかできないとしたら何を選びますか?
- あなたのロールモデルは誰ですか?
- あなたが学びたいこと、もっと上手になりたいことは何ですか?
- あなたが最も情熱を注いでいることは何ですか?
- 今まで1番恥ずかしかったことは何ですか?
- 人生で最も誇りに思うことは何ですか?
- 死についてどう思いますか?
- 他人からもらった人生のアドバイスで1番良かったものは何ですか?
おそらく特に仲の良い友人などとはこのような話をする機会もあるかもしれませんが、このような深い話ができると相手から魅力を感じてもらえることも増えるかもしれませんね。
ストーリーテリング
先ほどは対話を通したアプローチですが、一方的に自分が話す方法としてストーリーテリングというものもあります。
最近だとSNSなどで一般の人でも多くの人に話をしやすくなっていますが、おそらく魅力を感じている話し方を思い返してみると以下のような手法にも当てはまっているかもしれません。
魅力あるストーリーを話す上で参考になるのが、フライタークのピラミッドというもの。

こちらは19世紀ドイツの劇作家グスタフ・フライタークが提唱した物語のパターンになります。
- 説明:物語が展開する時間と舞台、登場人物を説明する
- 悪化:主人公の身にトラブルが起きて緊張感を高める
- 山場:主人公のトラブルの状況や、敵対関係が深刻化し緊張がクライマックスに達する
- 逆転:山場の展開を裏切るような事態を起こして、事態が急転する(ハッピーエンド、バッドエンドによって展開が異なる)
- 終幕:全ての展開が終わり、主人公がどうなったかを提示する
なかなかここまでのストーリーを語ることは少ないかもしれませんが、特徴的なクライアントの状況をドラマティックに伝える、自分自身のセラピスト人生を人に伝える時にこのような流れを意識するとより魅力的に内容が伝わるかもしれません。
まとめ
これまで伝えたように、コミュ力を高めるためには魅力を高める必要があって、嘘が多い・感情が幼い・性格が悪いのようなネガティブ面を減らしつつ、カリスマ性を高めるような伝え方ができれば人を動かす力が高まってくると思うので参考にしてもらえたらと思います。